第二次世界大戦を経て、Copperkingはいよいよそのオリジナリティを発揮します。
バックポケットのかざりステッチに「X」のアイコンが入り、「X」の
ステッチがアールを描いているのが特徴です。右ポケットには
流し込みのタグが入るようになります。さらに、前回(第3章)で触れました
LOT99の印字もみられます。キャントバステムのLOGGERは「77」はジッパーフライ、
「88」がボタンフロントですが、こちらはジッパーフライには、「Z」の文字が入るようです。
正式には戦後から1940年代の終わりにかけてこの意匠は生まれたようです。
また部材については、隠しリベットを使用するのではなく、大戦モデルでもあったように、
カンドメを二回走らせる仕様となっています。さらに、股リベットはそのまま残しており、
「錆びるリベットはもう古い。」と言わんばかりに、それまでの鉄製銅メッキから、
「Copperking」の名前にふさわしい、銅製に変わっています。
XXの隠しリベットは、突起が高いために、そこから生地が摩耗し、
リベットがむきだしてしまうものもありましたが、LeeのXカンや
、COPPERKINGの二重カンは、ほつれすらみられません。
さらには、Leeと同じように、デニムに早くから防縮加工を施しており、
この時代に既にジッパーフライのデニムに着手していました。
そして、1950年代に入ると、「Copperking」は、Levis501XXやLee101と
同じマーケットで、5ポケットデニムの一角を担うようになりました。
カウボーイに向けた販売戦略が、カウボーイに憧れるワーカーやファーマーにも
イメージの良い効果をもたらしたのでしょう。ブランドネームは完全に独立し、
「Copperking」単体のデザインがメインとなりました。